治療法

IBDに対するプロバイオティクスの有効性

おなかへGG

プロバイオティクスのとり方

IBDにプロバイオティクスが有効であるという報告が多数あります。

プロバイオティクスとは、身体に良いとされる細菌 (善玉菌) をとることです。

菌をとる方法は、「発酵食品を摂る、またはサプリメントや医薬品を服用する」ことです。

サプリメントや医薬品を飲む時は、できれば食後に服用しましょう。食後は胃酸が薄まり、菌が胃酸で消化される可能性を下げます。その結果、菌が定着する可能性が上がります。しかし、食事がとれなくても服用して問題になることはありませんので用法用量通りの回数を続けましょう。

プロバイオティクスの効き方

プロバイオティクスにより善玉菌が腸に定着して、様々な有益な効果を身体に与えることが知られています。

しかし、プロバイオティクスで良い菌をとっても腸で定着しないで、そのまま排泄されるので効かないという議論もありますが、菌ではなく菌の代謝物が効果あるという論文もあります。

つまり菌そのものでなく、菌から出てきた物質に効能があることもありますので、効果があればぜひ続けて欲しいです。

膨大な種類のなかで何が有効的なの?

前に述べました通りIBDにプロバイオティクスが有効であると言われていますが、調査している患者さんの数が少なかったり、その試験方法の条件が複雑なためIBDに対するプロバイオティクスの有効性は確立できていません 。(厚生労働省調べ)

つまりこの菌をとることで症状が必ず良くなるとは、現状では言い切ることができていません。なぜならサプリメントでも500以上の菌の種類があり、さらにそれらを混ぜてあるものもあります。

食品でも例えば、納豆を作る納豆菌だけでも2000種類以上あります。そうなると調べるパターンは膨大です。効果を判定するにはかなりの人数のIBDの患者さんの協力も必要になります。また結果がまとめにくいのには、腸内フローラ (腸内細菌) が個人個人で異なることも影響していると思います。

プロバイオティクスのはじめ方

まずは現在、勧められているプロバイオティクスの中で良いと言われているものを続けてみてしばらく様子をみてみましょう。

必ずしも効果があるわけではありませんし、お腹が張るなど合わない症状がでる可能性もあります。

また何があっているかを知るために経過をメモしましょう。

はじめるにあたっては、症状がある程度落ち着いてきてから行って下さい。症状が落ち着かない時では薬の変更もあると思います。薬が変更になると何の影響で症状が変化したかわかりません。また主治医にも相談し、数値などの所見にも変化があるかなど経過を一緒に確認しましょう。

サッカロマイセス・ブラウディ

一部の症状にはプロバイオティクスの有効性が認められている

抗生物質は細菌を殺す薬で、肺炎や膀胱炎などの感染症に非常に効果的な薬ですがお腹の善玉菌も殺してしまいます。その結果、腸内環境が崩れて症状が悪化することがあります。

アメリカの消化器内科医協会は、抗生物質服用による下痢症状を抑えるプロバイオティクスとして2種類の菌が効果的であると報告しています。

酵母の1種であるサッカロマイセス・ブラウディ (Saccharomyces boulardii) と乳酸菌の1種のラクトバチルス・ラムノサス GG (Lactobacillus rhamnosus GG) です。またどちらもIBDの症状を改善すると報告もあります。

サッカロマイセス・ブラウディという酵母

サッカロマイセス・ブラウディは、ベトナムでライチから作られた飲み物から発見された酵母です。現地の人はこの飲み物を飲んでコレラ感染による下痢を緩和させていました。

ラクトバチルス・ラムノサス GGは、胃酸に強く腸に定着しやすく悪玉菌が増えるのを抑える効果や炎症を抑える効果が報告されています。

現状では、他の菌では効果がないわけではなく、この2種類の菌については研究報告が多いことから推奨されております。よって、この2種類に限らず自分のお腹にあっているプロバイオティクスを続けることが大切です。

ラクトバチルス・ラムノサス GG入りのヨーグルト

おなかへGGタカナシミルクの「おなかへGG!」というヨーグルトがあります。
まさしくプロバイオティクス乳酸菌「ラクトバチルス・ラムノサス GG株」が100gあたり140億個以上も生きたまま腸に届いて、お腹の調子を整えます。
https://www.takanashi-milk.com/shopdetail/000000000997/