以前にも一度ご紹介した「ペンタサ」一度ご紹介した「ペンタサ」一度ご紹介した「ペンタサ」について、今回はその効果や副作用、飲み方などについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
クローン病治療薬の「ペンタサ錠」とは
ペンタサ錠の成分は、「メサラジン」です。この薬は5-ASA(5-アミノサリチル酸)と呼ばれ、有効成分が小腸から大腸まで、時間をかけてゆっくりと溶けだして効果が出るように作られています。
軽症から中症のクローン病の治療に用いられ、安全性も高い薬剤です。
「ペンタサ錠」はどのくらいで効果が出るの?
クローン病で用いられるペンタサ錠ですが、飲み始めてからどのくらいで効果が出るのでしょうか。
クローン病の場合、成人ではメサラジンとして1日1500mg~3000mgを3回に分けて食後経口投与することになっています。使用する量は医師の診察によって決まります。
薬が効いているかどうかを判断するのは主治医の見解になりますが、だいたい2週間くらいで有効かどうかの目安になります。
炎症が寛解(症状はないけれど、弱い炎症はある)状態になるまでには1カ月も3カ月もかかりますが、症状が改善しているかどうかは2週間くらいの服用で判断できます。
ペンタサは、50~80%の寛解導入効果が得られるとの報告もあり、治療効果の高い薬です。上手に使うことで、不要なステロイドの量も減らすことができます。
ペンタサの副作用は?
ペンタサは、「サラゾピリン」というリウマチに使われていた薬から、副作用を起こす「スルファピリジン」という部分を無くしたものです。
このサラゾピリンは、サルファ剤という抗菌薬と、5-ASAという炎症を抑える薬を結合させたものですが、多くの副作用はサルファ剤によって引き起こされるものでした。
そこで、サルファ剤の部分を取り除いた「ペンタサ」が登場しました。
サラゾピリンと比較すると、副作用は少なくなっています。また、服用量を増やしても、サラゾピリンで懸念されていた男性不妊などは引き起こしません。
しかし、下痢、下血・血便、腹痛等の消化器症状や発疹、発熱、肝機能障害などの報告もあります。稀に腎障害を起こすこともあるので、定期的に血液検査をしたほうが良いでしょう。
また、0.1%未満で頻度は低い副作用の中に、「着色尿」というものがあります。字の通り、尿に赤黄色になることです。これは、尿が酸性の時には起こりませんが、尿中に排泄されたペンタサの未変化体がアルカリ性の場合には反応して変色してしまうことで起こる現象です。
全然問題はないのですが、男性の場合、尿だけではなく精液も赤黄色に変色することがあります。ペンタサの副作用だと知らないと、不安になることもあるかも知れません。
副作用は、下痢、下血、腹痛、発熱などの良く知られたもの以外にもあることを知っておくと、より安心して薬物治療を受けることができます。
「ペンタサ錠」はいつ服用するの?
ペンタサをもらうとき、「1日3回、食後」と言われると思います。用法は「1日3回食後経口投与」となっていますが、食事をしないときはどうすれば良いのでしょうか。
食後でないとだめなの?
ペンタサは、食後に飲んだ時のほうが、絶食時と比べて吸収が低下します。
しかし、ペンタサは吸収されて効果を発揮する薬剤ではなく、炎症部位に届いて初めてその作用が発揮されるため、効果に対する食事の影響はほとんどありません。
食事をしないときはどうすればよい?
朝食を食べないときや、食事が摂れないときも、薬は服用しましょう。
空腹時に服用しても、副作用が起こる等の心配はありません。食事をしない時は、いつも食事をする時間に飲むようにしてください。
ペンタサ錠のまとめ
クローン病の症状はさまざまですが、食事をすると下痢や腹痛が起こり、だんだんと栄養障害で痩せてくることがしばしばあります。
食事療法と薬物療法は常に身近な存在だと思います。そのなかでも、少しでも不安を減らし、ストレスの少ない普通の日常生活を送ってください。