治療法

クローン病と漢方薬について

漢方薬はIBDの症状緩和に役立つ

炎症性腸疾患(IBD)は、主にクローン病と潰瘍性大腸炎に代表される病気です。

IBDの病因は完全には理解されていませんが、免疫学的、遺伝的、環境的要因がIBDの病因の主な要因であるとされています。様々な新しい治療法が開発されていますが、根治的治療の開発には至っていません。IBDの従来の治療法には、アミノサリチル酸などの抗炎症薬および免疫抑制薬、コルチコステロイド、抗生物質、および抗ヒトTNFα抗体などの生物学的製剤が含まれます。ただし、これらの治療法には「副作用の懸念と高いリスク」が考えられます。

一方で漢方薬による治療では、コルチコステロイド等の治療と併用することが出来ます。漢方薬は様々な種類があり、薬を服用した際の副作用を和らげてくれるものや症状の改善を期待できるものも存在します。

漢方薬はクローン病の症状緩和に役立つ

漢方薬
一般的に漢方薬は他の薬の補助的な役割で、確立した治療方法とは言えませんが、軽度から中程度のクローン病の場合、漢方薬による治療はクローン病の症状緩和に役立つとされています。具体的には症状の進行を妨げ、大腸内視鏡検査の結果を改善する効果を期待出来ます。

コルチコステロイド、免疫抑制剤、抗生物質などの重い薬をすでに服用している患者の場合、状態が安定するまでの期間、漢方薬を併用できます。コルチコステロイドの投与量は徐々に減らすことができます。また、術後にクローン病が再発する確率は非常に高いとされています。漢方薬は、クローン病の症状の進行と緩和に役立つのですが、症状の緩和以外にも漢方薬を併用することで、心身ともに健康でバランスの取れた状態にするために重要な役割を果たすことができます。

スミキン

漢方薬でより良いライフスタイルへの道を

漢方薬の原料は「生薬」と呼ばれており、「草や木」「動物や鉱物」など自然にあるものです。様々な生薬を組み合わせるのが特徴で、体が本来もつバランスを整えていきます。

私たちは、漢方薬、ライフスタイル、食生活の改善といった取り組みで、クローン病の症状を軽減することができます。クローン病は難病であり完治することは出来ませんが、発症からの経過や過程は百人百様です。「難病だから、完治出来ないから何もできない」というよりも「まずは病気と共存できる道」を模索していきましょう。漢方薬で体のバランスを整えて、健康と向き合うことで、より良いライフスタイルへの道を取り戻すことができます。

松本医院
潰瘍性大腸炎と言えば大阪は高槻にある松本医院関西に住んでいる人で、クローン病や潰瘍性大腸炎と初めて診断されて戸惑いを感じてから辿る道。 腹痛や下痢、血便が続き食中毒でもあたっ...

漢方薬を服用する際の注意点

「漢方薬=副作用がない」というイメージが先行しがちですが、漢方薬にもほかの薬同様に「ある程度のリスクと副作用」は少なからず存在します。漢方薬だから安心というわけではなく、服用方法やほかの薬との組み合わせによる相性もあるため、服用する際には必ず担当医に確認しましょう。