治療法

潰瘍性大腸炎の治療薬レクタブルは効かない?

レクタブル

レクタブルは2017年9月に潰瘍性大腸炎の治療薬として承認、12月にキッセイ薬品工業株式会社に販売がスタートしました。

注腸剤というお尻から直接薬剤を注入するタイプの治療薬ですが、従来の注腸剤とは異なり泡状製剤で腸内での薬液の維持が強く、薬を注入後にお尻から漏れてにくい使用になっております。

潰瘍性大腸炎の症状である頻便の改善として期待されるレクタブルですが、なかなか効果が現れないという声がインターネット上でもありましたので今日はその点を考察したいと思います。

お約束になりますが、このサイトはクローン病患者の個人ブログになりますので、専門情報などは有資格の医師や薬剤師に確認と使用においては相談をしてください。

レクタブルはステロイド剤

少しだけレクタブルについての解説をします。
レクタブルというのは潰瘍性大腸炎の治療薬としての商品名です。
その内容はステロイドの一種であるブデソニドという糖質コルチコイドであり、性質としては局部において強力な抗炎症作用があり全身への副作用は少ないとされています。

ブデソニド自体は、今回のレクタブル以外にも気管支喘息治療薬の吸入製剤(パルミコート)やクローン病治療薬の腸溶性徐放カプセル製剤(ゼンタコート)にも使用されております。

レクタブルの副作用

報告されている副作用としては、頭痛・不眠・めまい・痔・胃潰瘍・にきび・手足のむくみなど(※キッセイ薬品工業株式会社より)がありますが、
なによりレクタブルは副腎皮質ステロイドなので長期投与による副腎皮質機能抑制などの全身作用も注意し、かかりつけの医師と相談して使用するべきでしょう。

ステロイド抵抗例、つまりステロイドが効かない

余談になりますが。、ステロイドはそもそも”副作用が強い”とイメージがあり敬遠されがちな薬剤です。
しかしながら経験と知識の豊富な医師の指導のもとに適切にステロイドを使用すると短時間で副作用を抑えた上で炎症を抑えることができます。

約30%の人によっては適正な量のステロイドを処方したにも関わらず効かない人もいます、このことをステロイド抵抗と呼び、その場合は別の治療法を探していきます。

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レクタブル以外の注腸剤

潰瘍性大腸炎には従来の注腸剤(お尻から直接薬剤を注入するタイプ)はありました。
メサラジン注腸剤(ペンサタ他)、プレドニゾロン注腸剤(プレドネマ)、ベタメタゾン注腸剤(ステロネマ)などがそうですが、これらはレクタブルのような泡剤ではなく液体タイプのため注入後に肛門から液漏れして下着が汚れてしまうというデメリットがありました。

レクタブルは腸内で長く留まるように泡タイプになっているため、直立した姿勢でもお尻から薬剤が漏れにくく、また使用時も横にならなくて済む、薬剤が1本使い切タイプではなく1缶で14回使用ができるなどのメリットがあります。

レクタブルの使用方法

レクタブルの使用方法
朝か夜の就寝前などに使用することが多いです。

使用時に缶を体温で温め、よく振ります。レプリケーターという注入ノズルをつけてお尻に挿入してポンプを押して泡を腸内に出します。

レクタブル使用上の注意点

レプリケーターにワセリンなどを塗り、しっかりとお尻に入ってからポンプをプッシュしましょう。泡が肛門あたりに広がるだけで腸内に留まりません
先にトイレを済ませておかないとレクタブルを注腸したのちにトイレにいってしまうと薬剤が体外に出てしまうので効果が落ちてしまいます。

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レクタブルを使用する潰瘍性大腸炎のTwitterユーザー

Twitter上のレクタブルユーザーを見ても、効いてる人と効いていない人の両方が見受けられます。
効いていない人は、「刺激が強すぎた」という意見や「症状が改善されない」などから、プレドニン経口やペンタサ座薬に切り替えたりされている方もいますね。

効いている方は「効きすぎている」「下血・血便がおさまった」「調子が良くなる」など改善の声が上げられてます。
レクタブルが効く人と効かない人の差は、個人差だとは思いますが、今は別の治療薬でも対処できますので、こだわらずに医師に相談して別のアプローチを選択してみるのが良いと思われます。

潰瘍性大腸炎患者におけるレクタブルの効果まとめ

イギリスやアメリカでも承認されているレクタブルですが、日本国内でも多くの潰瘍性大腸炎の患者の方の痛みや症状を緩和してきております。
効用には個人差があるのは事実であり、人によっては「効かない」と感じることもありますが、幸い代替となる薬剤も複数あることから、医師と相談しながら別の対処療法を模索していきたいですね。