こどものおやつとして重宝する食品グミ。
潰瘍性大腸炎やクローン病で食事を制限しているとき、あるいは寛解の時期におやつとしてでもグミを食べることもあるでしょう。
食事制限の時には咀嚼の時間も取れて、脂質もないので「食べた気になれる」とついグミを手に取ってしまうかもしれませんね。
今はグミの味も豊富でフルーツの味が色々揃っていたりと、その味を飽きさせることはありません。
グミの成分もゼラチン、つまりコラーゲンを配合されているので「美容にもいい」という宣伝文句に乗ってしまって、ついグミの誘惑に言い訳に使ってしまう人もいるのではないでしょうか。
大きな理由としては消化の問題が上がられるが、もう少し掘り下げてその理由を見てみましょう。
グミの効用と消化について
グミはダイエット効果に良いと言われて言われております。
なぜならグミは噛み応えがあるため、よく噛んで食べるように作られており、よく噛むことで満腹中枢が刺激され空腹感が満たされることがダイエットに繋がるという理由からです。
そもそもグミは1920年にドイツのハリボー社という会社が、歯の病気を持つ子供が増えた背景から「子供がよく噛んで食べるお菓子」として誕生しています。
グミとゼリーはほとんど同じ材料から作られていますが、それぞれの中に含まれるゼラチンの多さによって、その硬さが決まっています。
なるほど歯の病気や、良く噛むことに視点をあてると、ただ甘いだけのお菓子ではなく考えられていることが分かります。
しかし消化においてはどうでしょうか。
当然ゼラチンで良く固めてあるぐらいなので消化には良くありません。
また成分を良く見るとただ固いだけで消化に良くないだけではないことが分かります。
せめてグミサプリメントを摂取しましょう
グミは消化には良くありませんが、水入らずで食べやすかったり食欲がなくても数粒なら口に入るなど、グミならではのメリットもあります。
どうしてもグミを食べたくなった場合は、せめて栄養素のあるサプリメントグミを食べてみてはどうでしょうか?
慣れてくればタブレットタイプもあるので、少しずつ移行できれば良いですよね。
鉄分グミなどは炎症から起こる貧血なども予防・緩和する効果もあるのでオススメです。
グミサプリ 鉄&葉酸 アサイーミックス味 ボトルタイプ 60粒 30日分
味が美味しく食べやすい。
ミネラル不足は胃潰瘍などの原因にもなります。
1日2粒で
エネルギー:16kcal、たんぱく質:0.3g、脂質:0〜1g、炭水化物:3.9g ナトリウム 0〜2mg 鉄 10mg(133%) 葉酸 200μg(100%) コラーゲン 300mg
が摂取できます。
潰瘍性大腸炎の下痢を促進させる糖アルコール
グミの原材料にある水あめは「還元麦芽糖水あめ(マルチトール)」もしくは「ソルビトール」という糖アルコールが使われていることが多いです。
いわゆる人口甘味料です。
以前の記事でも紹介したが、人口甘味料の接種は「小腸で吸収されにくいので、血液から小腸に水分が流れ込み薄めて流そうと下痢になる」というメカニズムがあります。
ポリデキストロースという水溶性食物繊維
またグミには甘味料とは別にポリデキストロースという人工的な食物繊維が含まれていることも多いです。
製品としても「食物繊維が配合されている」、と唄っているものもあるかもしれません。
ポリデキストロースはお腹がゆるく、便が柔らかくなることが分かっていますが、健常者の方や便秘気味のかたには問題がないかもしれませんが、慢性的に下痢気味である潰瘍性大腸炎やクローン病を患っている方は、さらに下痢気味になると脱水のおそれもあるので注意が必要です。
人口甘味料にしてもポリデキストロースにしても「当分の吸収を遅らせ、血糖値の急な上昇を防ぐ」という文句が付いてきます。
繰り返しになるが、この場合小腸での吸収が出来ていないため、逆に水分を血液からもらって下痢になるという仕組みを忘れないでおきましょう。
そもそもゼラチンさんも
ゼラチンは動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え抽出したもの(wikipediaより)
つまりゼラチン自体も動物性のたんぱく質が主成分であるため、炭水化物などに比べると消化に時間がかかります。
統計的にかなり少数になるので余談になりますが、ゼラチンはアレルギー物質の「特定原材料に準じるもの20品目」に含まれているので、アレルギー反応として下痢や腹痛を引き起こす場合もあります。
潰瘍性大腸炎の方がグミを食べる際の注意についてまとめ
という風に、我々IBDを持つ人間として口に入れるものはひとつひとつ注意が必要であるが、なにも「あれは食べては駄目、これも駄目」というつもりはありません。
ガチガチに食事が制限されることが一番のストレスであり、病状の悪化を生むことはあなたが一番わかっているはずです。
だからと言って健常者と同じように、何にも気を遣わずに何でも好きに食べても良いわけではありません。
好きなものを長く食べれるために、少しだけ考えて少しだけ制限してみてはどうでしょうか。