関西に住んでいる人で、クローン病や潰瘍性大腸炎と初めて診断されて戸惑いを感じてから辿る道。
腹痛や下痢、血便が続き食中毒でもあたったのかと不安になり近くのクリニックや総合病院に行き、ひととおりの診察をしたのちに内科の先生に「この症状は潰瘍性大腸炎ですね。」と言われる。
「なんだその病名は?」いや聞いたことがある。安倍元総理もかかっていた。
治るのか、薬を飲んだら治るのか、手術が必要なのか?
先生が詳しく教えてくれる。
もしかしたら「初めての潰瘍性大腸炎」というパンフレットだけ渡されて、大きい病院を紹介されたり、いきなりレミケードやヒミュラのような生物学的製剤の投与の話が始まったりという不親切な場合もあるかもしれない。
いずれにせよ面食らった状態で、病院の帰り道からしばらくの数日は上の空になってしまうだろう。
なぜ?何か悪いものでも食べたのか?生まれつきか、これからの生活はどうなるのか?
とにかくこのお腹の痛みだけでも解消してくれないのか。
ステロイドやペンタサ、レミケードなどで今後の治療計画を聞いてはみたけども、不安でしかない。
周りの友人や家族も、この病気のことは誰も詳しくは知らない。
とにかく自分でわかる範囲で情報を集めたい。ベッドで痛むお腹をさすりながら横になってスマホで「潰瘍性大腸炎」と検索する。
完治しない病気。
不安が増す。次の通院日に行く足が重い。
お腹の痛みも貧血も下血も痔ろうも食事制限も何もなかった健康なあの日に戻りたい。
誰もが必ず一度はそう考えるだろう。
もう一度あらためてスマホで検索する「潰瘍性大腸炎 完治」。
すると大阪の高槻にある1件の病院がヒットする。その病院の先生はクローン病は完治する病気だと言っている。
高槻駅なら行けない距離ではない。
予約を入れてみて一度話だけでも聞きに行こう。
松本医院と松本漢方クリニック
1件の病院がヒットすると言ったが、今では”松本医院”と”松本漢方クリニック”と2件あり、どちらがどちらか初見では分かりにくいかもしれない。
ホームページはそれぞれにあるが、どちらも同じようなことを書いてある。
どちらに行けばいいのか?どちらが本家なのか?
元々は現在の松本漢方クリニックで院長をしている松本仁幸院長が松本医院で院長を務められていた。
他のネットの口コミでも良く話題になる「癖の強い」年配の男の先生こそが、30年近くこの松本医院の基礎を築いた松本仁幸先生である。
令和元年から代変わりをし、松本医院は現在2代目の松本院長が統括する漢方治療を主体とした病院である。
要は親父が松本医院から出て新しく「松本漢方クリニック」を立ち上げた、ということである。
2つの病院は名前や方針こそ同じだが「全く別々の病院」である。本院・分院の関係でもない。
新しい松本医院は若い松本先生が担い、その新しい知識で松本医院を導いていっている。
どちらに通院するかは自由だし、どちらとも通院することも可能である。
「全く別の病院」と明記した上で、このサイトでは同じ漢方ベースの病院ということで一つのくくりで見ていく。
細かい治療方針などで差異があるかもしれないが、そこは直接診察に行くなりして自分で確認していただきたい。
漢方を中心とした東洋医学の診察
検索や口コミなどで前もった知識を持った人なら分かってはいるが、藁にもすがる気持ちで診察の予約をし治療と処方箋を説明されたときに初めて気づく人もいるのかもしれない。
病院は看板にもホームページにもしっかりとそのカテゴリを謳っている。「漢方をベースにした根本治療を」と。
西洋医学の対処療法による科学的(化学的とも)な治療ではなく、東洋医学の根本治療を行っていくとし、生活習慣の改善も含めて指導していく。
それぞれのホームページを見れば、そのぎっしりとした治療方針について情報が書き込まれているのが分かる。
診察や治療が自分に合う合わないは別として、病院側としては誤解のないようにあらかじめ根幹となるコンセプトをはっきりと明言している。
初めて診察に訪れて、そのまま当日のうちにお灸や鍼の治療に入る人もいるのではないだろうか。
松本医院が処置する様々な病気
潰瘍性大腸炎やクローン病を含むIBDコミュニティにとって有名になった松本医院も、実は一般的な「町のかかりつけ院」という側面もある。
高槻近辺にお住まいの方の風邪やインフルエンザ、火傷などの一般診療で来られる方も多い。
それに加えて腸疾患の患者の中で聖地的?なポジションになりつつあり、潰瘍性大腸炎やクローン病の疾患者や喘息やアレルギーや膠原病・リウマチなどの自己免疫疾患で松本医院を訪れる方も多い。
院内は常に混雑をしている。
脱ステロイドからの抗ヘルペス
何度も同じことの繰り返しになるが、松本医院・松本漢方クリニックでは対処療法ではなく根本治療を目指して治療を行っている。
つまり多くの諸病状の方が治療・投薬している化学的な投薬ではなく、生活習慣の見直しと食事療法、鍼灸、漢方での治療を主としている。
特に炎症性腸疾患においてもステロイドの投与がメインだった時代に、前松本院長は口を酸っぱくして脱ステロイドを患者に伝えてきた。
当時ステロイド治療で炎症を抑えていた人たちにとって、松本医院の方針に一時的にでも従うことはステロイドを辞めることだったので、肉体的には負荷のかかることだったろうと想像される。
それを乗り越え漢方と相性が良かったかたは、脱ステロイドに成功し、漢方やオーガニックな食事などで健康的な日常を取り戻したのかもしれない。
脱ステロイドを行ったときのリバウンドもヘルペス性のものであると見た松本院長は、代わりに抗ヘルペス剤を患者に処方し漢方とともに飲ませるのであった。
高額なイメージの松本医院
松本医院(どちらかと言えば現在の松本漢方クリニック)と言えば、その診療方針だけでなく高額であることからも漢方と相性の合わない患者の間では「ボッタクリ」と噂されることもしばしばである。
この原因は非常にシンプルであるが、まずは漢方は保険適用外であることが上げられる。
保険の効く規制の漢方ももちろんあるが、松本医院でしょほうされる漢方は生薬であることから自由診療となり保険の適用外になる。
また上記の抗ヘルペス剤も自由診療扱いになるので高額になってしまう。
鍼灸も一緒に松本漢方クリニックでやってもらうとなると別途費用が発生する。
ホームページに記載があるので転載させていただく。
自由診療の価格について(10%の消費税込みの価格です)
1)自由診療の初診料は、税込4,000円と煎じ薬の漢方薬2週間分で20,000円前後ですから、初回の平均総額は税込18,000円~25,000円前後となります。2回目以降の外来に来られた再診料は税込1,600円です。送りの再診料は2,500円となります。
2)ところがほとんどの患者さんは免疫を抑える薬を使ってから受診されますから、免疫を抑える薬を止めると多かれ少なかれ必ずヘルペスに対するリバウンドがでます。このリバウンドを乗り越えるために、抗ヘルペス剤であるアシクロビルを用いざるを得ないことがあります。希望される人は、抗ヘルペス剤であるアシクロビルを1日8錠で開始し、2週間分で税込10,080円となります。必要に応じて増やすことがあります。元来、抗ヘルペス剤は保険診療で使われることが少ない高価な薬剤であることを知っておいてください。
松本医院に行く行かないは自由
まとめになるが、このサイトでは高槻にある松本医院および松本漢方クリニックについて、否定的でも肯定的でもない立場で紹介をした。
私自身はクローン病の疾患者であるが、医者ではないので病理的な真実や責任を持った良し悪しを伝えることはできない。
しかしながら、もし松本両先生の言うようにステロイドやレミケード、ペンタサから解放されて、漢方の力を借りながら生活習慣の向上から自己免疫を上げることが出来たならば、治療にかかる金額の大小は関係なくとても素晴らしいことには間違いない。
だれも望んで化学療法を受けたりステロイドを経口投与したいはずがない。
ただ、その漢方治療の成果が上がる前に諦めてしまったり、どうしても相性が合わなく結果が出なかった場合は、やむなく西洋医学の力の元に戻らざるを得ないだろうし、悲しいかな科学的な病理学において対処療法は”比較的早く”症状が緩和する。
松本医院は大阪の北摂地域の高槻に位置するが、中国地方や中部地方から通う腸疾患患者もいると聞く。
もし通える範囲であるならば、一度自分の足で確かめに行っても良いのかもしれない。